旅のお話
みちのく卯月・令和の桃源郷
福島県福島市飯野町字東鎮石内
このあたりに 花やしき公園 という、花の季節に桜と山桃やレンギョウが咲く公園があります。
福島県道40号線に沿った谷の東側の小高い山に花やしき公園があって、県道の西側に広がる田んぼ、その奥の山の斜面には家々と白と桃色の山桃の花。
県道の東側の小高い山に登ると、そこはレンギョウやユキヤナギに包まれる幻想的な世界。
山の上から西を見れば、点在する家々、道路に沿って咲いている山桃の木々・・・。
ここは、まさに令和の桃源郷。
卯月の空と蔵と花

色艶やかな山桃の里・ここは令和の桃源郷

春は桜の花が楽しみな時期。
あまりにも楽しさと期待が大きすぎて、平安の都人は
世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし
(在原業平(ありわらのなりひら)・古今集から)
【現代語】
もしもこの世に桜の花なんてモノがなかったとしたら、
春になっても心はのんびりゆったりしていられることだろうになぁ。
桜の花なんてあるからいけないんだ。
と、詠っているほどですね。
さらにこんな歌まで
久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ
(紀友則(きのとものり)・百人一首から)
【現代語】
こんなに穏やかな光が降り注いでいる春の一日なのに、
このままじっとしていようと思わないのか。
桜の花は人の気持ちも知らないでさっさと散ってしまうんだ。
喜びと苦しみは紙一重。
でも、暑い暑い夏も凍える冬も、じっと我慢して待ちましょう。
必ずもう一度、春はやってきます。
石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも
(志貴皇子(しきのみこ)・万葉集八巻から)
【現代語】
岩の上を走り流れる滝のほとりに小さなわらびが萌えだす、
やっと、そんな春になったんだなあ。
令和7年9月 記
◆ 旅のお話・もくじへ
